宇宙一わかりやすい!EV乗りが教えたいEVを買う前に知っておいて欲しいこと

電気自動車、良いよね。

日本政府が2030年までにガソリン車禁止を打ち出してから半年以上が経った。

打ち出した理由についてはともかく、そうなった以上、電気自動車――EVについても購入を検討する人が一定数いるんじゃないかと思う。

僕はもう日産のリーフに2年近く乗っているけど、購入する時はめちゃくちゃ不安だった。

ネットで調べても「良い悪い」しかないし、詳しく調べたら面倒くさい数字を延々と見せつけられた。僕が知りたいのはそんなことじゃない。もっとわかりやすくしてくれよ! と心の底から思った。

今回は、そんなあの日の僕に向けて――そして今からEVを買おうかどうか迷っている人に向けて、数字をほとんど用いずにEVの疑問を解説していけたらと思う。

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EVにかかるお金は、ガソリン車とほとんど変わらない

まず、一番気になるところ、お金から解説したいと思う。

EVにかかるお金は、実際ガソリン車とほとんど変わらない。具体的に見ていこう。

車両価格

これについては言わずもがなだろう。EVは基本的に400万近くするので、ちょっとした高級車くらいの金額だ。そのほとんどが電池代なので、車の中の作りは200万くらいのコンパクトカーレベルと思ってくれていい。値段相応かと言われれば、悪い意味で違う

だが、ありがたいことにEVは国や自治体から補助金が出る。

補助金の申請はクソややこしいので、大体ディーラーさんがやってくれる。補助金に関しても定員が決められているので、申し込むなら早めの方が良いらしい。ただ、12月に買っても申し込めたから、期末(2月~3月)でも無い限り大丈夫じゃないかなと思う。

補助金の金額は車両によって定められているが、僕が乗っているリーフの場合は「40万円」だった。機能をもりもりつけて400万だったので、360万円で購入できたことになる。そうなると、プリウスとほとんど変わらない価格帯だ。

ちなみに、国と自治体の補助金は併用できるので、自治体からの補助金が厚い地域は、もっと値下げも見込める。購入を検討する時は、補助金は必ず調べよう。なお、我が愛しの滋賀県は無かった。ガッデム。

また、良く宣伝文句で「最大80万補助」とかあるが、あれは信じちゃいけない。80万の内訳は、

補助金:40万
家庭用蓄電池設置:40万

となる。そのうち、家庭用蓄電池の設置費用が30万くらいするので、補助金として使えるのはほとんど40万程度。しかも定期的なメンテナンスも必要なので、高くつく

80万円に踊らされず、長期的に見て補助金を考えよう。ちなみにうちはコストの面からもカットした。

ランニングコスト

これはめちゃくちゃ安い。ランニングコストと言ってもいくつかあるので、簡単にまとめてみよう。

各パーツ代

全ての車において、パーツのメンテナンスは重要だ。車は便利な道具だが、走る凶器でもある。いざという時に壊れていましたでは話にならない。そのため、定期的なメンテナンスが必要になる。

ガソリン車やハイブリッド車の場合、ガソリン関係のパーツ取り替えの費用がどうしても必要になる。

一方のEVは、ガソリンが入っていないから、そもそもガソリン関係のパーツがごっそりない。電池に関しても、残量を測定するだけ。

まともな人なら半年に一回くらい愛車の定期メンテナンスをしていると思うが、その頻度で済ませられる。その費用はどうしてもかかるので、結果的にパーツ代に限ってだけ安く済むことが多い。

また、これは各社の車によっても違うのだが、僕のリーフは「ワンペダル」で操作ができる。アクセルだけで発車から停車までできてしまう。この機能があると、ブレーキをほとんど使わないので、結果ブレーキパッドの摩耗が減り、ガソリン車よりも交換の頻度がぐっと下がる。

燃費

がソリン車だと燃費。EVだと電気なので電費という。ここでは燃費で通す。

燃費については、「ガソリン車より安いです!」と声を大にして言いにくい面がある。ケースによって大きく変わってくるからだ。

費用で考える場合、以下の2パターンがある

  • 家で充電する(自宅充電)
  • 定額充電を使ってディーラーなどで充電する

結論から言うと、自宅充電で無い限り、燃費はEVの方がかかる。当たり前だ。充電させて損する金額で定額充電の価格を設定する訳がない

ただでさえEVの航続距離は短いのだから、充電の機会が増えれば増えるほど、電気代がかかる。

一方の自宅充電は、家の余っている配線から電気を拝借して充電するので、かかる費用は設備代くらいだ。場合によってはディーラーが全額負担してくれたりするが、町の電気屋さんでもやってくれる。僕の場合は、機材こみで配線を10m以上引っ張って3.5万円だった。何かこだわりでもない限り、町の電気屋さんがリーズナブルだろう。その後のフォローもしてくれるから安心。

マンションなどで工事ができない場合は、定額充電を利用するしかないので、継続的にかかる費用と相談するしかない。各々の収入と比較して負担できる金額かどうかで考えて欲しい。

ここまでは電池に充電するまでの話。

実際に走ってみての燃費となると、EVの方が圧倒的に安い

EVは社内の全ての機能を電気でまかなうので、エアコンが必要な季節はやはり燃費が落ちる。エアコンを利用しない時を1と考えた場合だと、夏なら0.8、冬なら0.6くらいにはなる。これはもう仕方ない。

EV至上主義者の中には、「シートヒーターやハンドルヒーターなら暖房がいらない」なんて言う人がいるが、あんなのは嘘っぱちだ。寒いものは寒い。東京みたいな暖かい場所じゃなくて、冬はマイナスになる寒冷地にでも行ってこいと心底思う。椅子で尻を温めたくらいで何ができるというのだ。

なら実際どれくらいの金額で走るの? となると、大体「1円で1km」走る。1000km走っても1000円くらいだ。更に回生ブレーキと呼ばれる、ブレーキを踏んだらそのエネルギーで充電もしてくれるので、実際はもうちょっと走れる。僕の運転だと、6km走ったら1km分を受電してくれている。6円が5円になる。ちりつもでお得。

最高クラスのハイブリッドでもここまでの燃費は出ないので、充電への時間さえクリアすれば、めちゃくちゃ安い計算になる。

自宅の充電が最強

前述したようなコストの安さはEVの大きな魅力だが、しかし大きな条件がある。それが、自宅充電と充電時間帯である。

自宅充電の場合、家に帰って電源コードを車にぶっさしたらいいだけなので、寝ている間に勝手に走れるようになっているのが最大のメリット。ガソリンスタンドに立ち寄ってガソリンを入れる必要が無いので、時間と手間の両方が節約できる。

これにオール電化を契約していればなお無敵。深夜の時間帯なら利用料金が下がるので、自動充電時間(充電を開始・終了する時間)を設定しておいたら、その時間になったら自動的に充電を始めてくれる。わざわざ充電しに行く必要が無い。

安い料金帯を狙って、気軽に充電できる。

この部分を最大限活かせるのが、自宅充電だ。実際、家に帰ったら充電できるから外で充電なんてほぼしないし、コンセントを刺すだけで終わるから、手間と費用の両方で苦だと感じたことは今まで一度も無い。

電池について

EVはその使用上、やはり電池持ちが気になる人が圧倒的に多いと思う。僕も正直不安だった。だが実際、買ってみたら別に何ともなかった。購入前に抱いていた不安はただの杞憂だったと思い知った。

EVを持っていない人の口から良く耳にするのが、電池の最大値が減っていったらその分走れなくなるでしょ? というものだ。

それは間違っていないが、正しくもない。何故なら、電池は使い方次第だからだ。

充電できる。電気で走る。

この2点が大きなウェイトを占めているため、多くの人が自分が普段使っているスマホなどの充電する機器と混同しているが、大きく違う。

EVの電池は、そもそもスマホなどとは容量が圧倒的に違う。40kwの小さい電池を搭載しているEVでも。残り30%になったところで80kmくらいは普通に走れる。Googleマップで自分のいる周囲80kmを表示させてみてくれ。大体の人は家に帰れる距離だ。電池いっぱいまで走ってみたいなんてしょうもない企画のYouTube動画に踊らされてはいけない。

事実、ディーラーも言っていたのだが、電池切れで回収することは年に一度も無いそうだ。当たり前だ。ガソリン車だってガソリンが無くなりそうになったら給油するのだから、EVも同じように充電するに決まっている。

同様に急速充電もできる限りしない方が良い。あれは、普段の倍以上の電気をぶち込んで無理矢理蓄えているようなものだ。いくらお腹が空いていても、口いっぱいのカツ丼を放り込まれたら苦しいのと同じ。電池に負荷をかけているのだから、当然劣化する。

そしてもうひとつ。小まめに充電する必要は無い

スマホ中毒者の人たちは口を揃えて、満充電だと怖いと言う。しかしそれは、電池に大きな負担をかけている状態だ。

リチウムイオン電池は、大体30~80%の値を維持するのが一番保つとされている。つまり、毎回毎回100%まで充電し、かつ寝ている間に100%を越えても電気を送っていたら、そりゃ速攻で電池も劣化する。だからソニーはXperiaで充電時間を制御する機能を自動でつけた。

EVも同じだ。遠出をしないのに意味無く満充電にする意味は全くない。30~80%を維持するように受電を繰り返せば、劣化もほとんどない。実際うちのリーフは1万キロくらい走っていても劣化はしていないと言われている。

ディーラーによっては、電池の無償交換期間を定めてくれているところもある。それらを利用して、期間ギリギリになったら新品に交換してもいい。そうすれば、まだまだ走ってくれる。

適切な使い方さえ理解していれば、EVの電池は思っている以上に走ってくれるようになっている。

遠距離には使いにくい。活躍の場は街乗り

EVは遠距離走行に全く向いていない。テスラなら何とかなるが、それ以外の車ではまだそこまでのブレイクスルーは起きていない。

そのため、EVでの遠距離走行は、常に充電との隣り合わせとなる。

自分の車がどこまで走れるのか。その中でどこでなら充電できるのか……などを遠距離走行する前にしっかりシミュレーションした上で遠出する必要になる。

充電が必ずついてまわるので、強制的に休憩させてくれるので、ありがたい一面はあるが、ガソリン車やHV車なら簡単に走れるであろう距離を、考えながらでないと走れないのは、ちょっとムズムズはする。

それが嫌なら、遠出する時は公共交通機関を使って、現地に着いたらレンタカーなど割り切ってしまうのも手だ。僕はそうした。

一方で、街乗りは最強クラスに快適だ。

遠距離を走らない上に、信号などでブレーキをかける場面も多いので、回生で勝手に充電までしてくれる。音も静かだし、音楽も聴き取りやすい。移動する部屋みたい。

ここで少し当たり前の話をするが、車で遠距離を走行する場合は年にどれくらいあるだろうか? 旅行するとしても年に数度。それ以外は街乗りが主になる。

なら、遠距離がどれだけ走れるかなど計測して「これだけしか走れません」などとマウントを取ることに、何の意味がある? 毎日東京から大阪間を車で走るなら、真っ当な人は新幹線を使う。そういうことだ。

つまり、街乗りを前提として車を選ぶならEVは選択肢としてアリだ。

常に遠距離を走らないといけない奇特な人は、大人しくプリウスでも選んでくれ。あいつは良い車だ。

まとめ:EVは人を選ぶ。必ず試乗して善し悪しを感じ、自分の生活で活かせる場面をシミュレーションするべし

長くなってしまったが、以上がEVに2年近く乗って僕が感じた内容だ。

今回の内容は、実際僕がリーフを買う時に感じた疑問に答えられるような形で書いてみた。EVを買う上で困っていることなどあったら、下記の問い合わせやTwitterなどで聞いてくれ。

EVの購入を検討してるなら、以下の項目をまず頭に入れて欲しい。

・EVを購入するための補助金は出るのか(購入予定の車が補助金の対象なのかを必ずチェック)
・自宅充電できるか(設備を設置できないなら見送った方が良い)
・車で遠出をしたいのか(する場合は、行きたい場所までの距離を一度計算すると想像しやすい)
・上記3つの項目を考えた上で、必ず試乗するべし

これらを意識すれば、良い買い物ができると思う。少なくとも僕はリーフを買って良かったと思っているし、今後もEVに乗り続けたい。

EVはまだまだ使いにくいが、その分実用性は高いので、買う価値は十分にある。

もしEV購入を検討している人がいるのなら、この記事が参考になれば幸いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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