【ラノベ紹介】七人の魔剣姫とゼロの騎士団2

MF文庫と言えば、可愛い女の子と主人公がラブコメをするレーベルだ。

前回、そんなMF文庫から発売したファンタジー作品である「七人の魔剣姫とゼロの騎士団」を紹介させていただいたが、2巻が発売したので更に書いていきたいと思う。前回の記事は以下を見てくれ。

https://www.bunmaga.com/review/%e3%80%90%e3%83%a9%e3%83%8e%e3%83%99%e7%b4%b9%e4%bb%8b%e3%80%91%e4%b8%83%e4%ba%ba%e3%81%ae%e9%ad%94%e5%89%a3%e5%a7%ab%e3%81%a8%e3%82%bc%e3%83%ad%e3%81%ae%e9%a8%8e%e5%a3%ab%e5%9b%a3/

今回もMF文庫Jの王道ファンタジーらしい作品になっていたので、実に楽しめた一冊だった。

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七人の魔剣姫とゼロの騎士団

MF文庫J https://mfbunkoj.jp/product/makenhime/

『七人の魔剣姫とゼロの騎士団』は、川田両悟氏がMF文庫Jから発刊しているライトノベル作品だ。

まずは1巻の簡単なあらすじから解説しよう。ネタバレを含むので、1巻を未読の方は先に本編を読もう。

MF文庫J https://mfbunkoj.jp/product/makenhime/
主人公のナハトは、魔術の力を持たない赤い髪の少年。彼は育ての親から受け取った謎の手甲を手に、「七つの魔剣」を集めるためにキールモール魔術学園へ入学し、魔剣を持っている美少女たちに戦いを挑む――。

というのが大まかな話だ。

主人公が真っ直ぐに突き進むので、物語をぐいぐい引っ張ってくれ、なおかつインファイト主体なので「細けぇことはいいんだよ」理論でバトル描写がわかりやすいのがポイント。

ヒロインのシャーロットは、1巻で主人公の敗北してから彼の良き相棒としての立ち位置を確立していて、「ゼロの騎士団」の活動で自国の再興を夢見ている。

1巻では、ナハトとシャーロットが力を合わせて、人類の天敵である魔族を倒して学園を窮地から救う、というのが描かれていた。

2巻では……?

MF文庫J https://mfbunkoj.jp/product/makenhime/

2巻では、前回が世界観全体を説明するように描いていたこともあり、よりミニマムに学園部分を掘り下げていた。

騎士団を結成するためには人数が5人必要(部活と同じなのでわかりやすい)なのだが、騎士団の部屋:団室(部室)が全て埋まっていたため、何とか部屋を確保しよう、というところから始まる。まるでどこかのラブライブ!みたいだ。

ゼロの騎士団にはナハトとシャーロットしか在籍していないため、新しい仲間を3人加え、部室を獲得。仲間たちと共に敵対する騎士団と対決して勝利するのが、2巻の大まかなストーリーだ。

新規登場キャラクター

ハオラン

シャーロットの顔なじみ。猫科の虎の獣人で、方天戟を使って戦う武人タイプ。どこかの関羽みたいだ。イメージとしては、三国無双の張飛と呂布を混ぜたような感じ。張飛の方がだいぶ強め。

戦闘に関してはパワータイプなので、本当に張飛。

https://youtu.be/CxtLVlz4xNk

ただ、真っ直ぐな性格で主人公のナハトに対しても嫌味無く接するので、見ていて気持ちが良い仲間。後半はハオランががっつり絡む問題だったからこそ、もう少し活躍させて欲しかったと思ってしまった。

モブっぽい仲間になっていたのは純粋に惜しい。

アンリエッタ

シスター。〝天使教団〟と呼ばれる宗教を信仰しているらしく、学園では珍しい敬虔な信徒。天使教団はかつて超メジャーな宗教だったが、信徒の一部が暴れたため、鎮圧されてからも良くない印象を持ったままになってしまった宗教だ。『争いを止めない人類を救うためには、争う前に息の根を止めればいい』というウルトラCを実現しようとしたらしい。サイコパスすぎる。

アンリエッタは両足が義足の魔具になっていて、なおかつ両手は争いに使えないとなっている。後は……わかるな?

立ち位置としてはなかなか面白いキャラクターである。

リッカ

飛空艇を操縦するメンバー。戦闘員ではないが、この世界では飛空艇が必須なので加入。改造厨で、すぐに飛空艇を改造しちゃう上に、ハンドルを握ったら性格が変わってしまうタイプ。そりゃ誰も誘わないわ。

裏方だがいてくれないと困るキャラクター。そのため、属性は結構盛っている。

他の魔剣姫

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主人公の敵となるヒロインたちだが、今回でようやく全てが出そろう。どいつもこいつも可愛い上に、一癖以上ある。間違いなくナハトは女難の相が出ている。気をつけるんだ。

実力があるが故の不器用さとか、自信とか、それぞれのキャラクターにしっかり振り分けられているのは良いポイント。属性を盛りすぎていないため、わかりやすい。

一方で、挿絵がないと少しわかりにくい部分もあった。やはり七人もヒロインがいると、読者にわかりやすく提示させるのは難しいようだ。

気になった点

全体としての完成度は上手にまとまっていたが、細かい部分ではやはり気になった。

仲間キャラクターが薄味なのと、視点のブレだ。

主要キャラクターが多すぎるため、それぞれが薄味なのは仕方が無い面はある。ハオランも特徴を出そうとしているが、名前ありのモブキャラと比べると、正直似たり寄ったりとしか思えない。台詞だけ見れば、どっちがどっちかわからない部分も多々見られた。

また、視点のブレは前巻から共通して見られた。

通常、各シーンには主となるキャラクターを置いて、そのキャラクターが感じた部分のみを描くものなのだが、同じシーン内で複数のキャラクター心情が見られた。これは漫画やアニメ的手法に近いのだが、心理描写を主に描く小説という媒体ではやらない方が良い。読者混乱してしまうからだ。

視点のブレは意識しないとつい書いてしまう部分ではあるので、なるべく直して欲しいなぁと思わずにはいられない。

まとめ:良くも悪くもまとまった2巻

『七人の魔剣姫とゼロの騎士団』2巻は、1巻で全体の世界観を描いたのと比べると、よりミニマムに主人公の属する世界(学園やその中の派閥など)を掘り下げて描いた巻となっていた。

1巻と2巻セットで読むと、『七人の魔剣姫とゼロの騎士団』という作品の世界観を把握することができるだろう。

また、主人公も強いがそれ以上に強い敵もいるため、彼の成長も気になるところだ。なろう小説に代表される単なる「俺TEEPEE!」だけではないので、その点は評価したい。ちなみに悪い見本は以下になる。

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今回2巻まで読んでみて、世界観をしっかり広げていたので、次がもし出るのなら継続して買おうと思っている。MF文庫らしさが失われていない、レーベル色の異世界ファンタジーを読みたいのなら、オススメしたい作品である。

 

 

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