
【本紹介②】『「好き」を言語化する技術』三宅香帆 | ディスカバー携書【実用書】

布教したいのにうまくできない。相手の心に刺さらない。
これは、書き物を仕事にしている僕も感じている難題だ。「どうすれば相手に伝わるだろう?」「どんな風に書けば、読者の人に刺さるだろう?」といつも考えている。
ある意味では職業病でもあるんだけど、でもそれは誰もが情報を発信できるSNS時代において、多くの人が感じている部分でもあるはずだ。
三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』は、そんな悩みを解決に導いてくれる、1つの指針のような一冊だった。
普段、僕達が何気なく心を動かされている文章や、全く心に響かない文章とは何なのかを、表題通り言語化してくれている。今の時代だからこそ、読んでおきたい本だった。
今回はそんな『「好き」を言語化する技術』を紹介する。
「好き」を言語化する難しさ



「好き」を言語化するのは難しい。みんな、そう思っていないかい?
自分が良かったと感じたものを友達や家族、恋人に伝えたいのに、「ヤバい」「めっちゃ良い」しか出てこない。自分の気持ちを20%くらいしか伝えられていない。悔しい。もっと語彙力があればワクワクしてもらえるのに!
そう感じたことはないだろうか? 結局諦めて、「ヤバい」とかいう便利ワードで妥協していないだろうか?
そんな人にこそ、『「好き」を言語化する技術』を読んで欲しい。難しいと思っている言語化を、わかりやすく解説してくれているから。
といっても、難しい技術でもない。誰でもできる方法を解説してくれているだけだ。しかもわかりやすく、感情をパターン化させてくれている。
要は、「この時に○○という感情を抱いたのは、何故だろう?」という気持ちを掘り下げていく方法を教えてくれているわけ。
これが実にありがたい。
特にLINEのようなチャットでの会話は短い文章が中心だ。言語化する能力を磨きにくくなっている側面もある。




言語化って苦手だな……




「ヤバい」で伝わるんじゃないの?
そう思っている人ほど、効果的だ。何しろ、君の「ヤバい」は驚くほど人に伝わっていないからだ。ニュアンスがいくつもある言葉が、自分の思った通りに正しく伝わるわけがないだろう?
自分の「好き」を伝えるのは、とても難しい。それこそ、僕のように文筆業を生業としている人間だって、いつも「どうやったら相手に伝わるだろう?」といつも考えているくらいだ。
そういう意味でも、『「好き」を言語化する技術』は一読の価値がある。コンテンツが増えた世の中だからこそ、自分の推しと人に普及するために、身につけておきたい技術が書かれているのだ。
ポップで読みやすい文体



『「好き」を言語化する技術』と聞くと、何やら小難しい文体で書かれているのではないかと勘ぐってしまう人もいるんじゃないかと思う。
だが安心して欲しい。『「好き」を言語化する技術』は、ポップで読みやすい文体で書かれている。だって、そうじゃないと「好き」な気持ちを共有できないからね。
今、みんなが文章を読んでくれているスマホやパソコン画面を見て欲しいんだけど、文章に程よい空白があるだろう? ネット小説を読む人は、そっちをイメージしてもいいかもね。
『「好き」を言語化する技術』は、そうしたネットでの表現と同じ構成を取っている。長い文章はないし、文体も口語に近い。しかも適度に空白行を作ってくれている。
つまり、読みやすいのだ。
人に伝えるという意味はとても良い構成だ。「本を読むのは苦手かも……」と思っている人も安心してOK。推しを布教したい・語りたい情熱があれば、簡単に乗り越えられるレベルの読みやすさだ。
ぜひ読んで、自分の推しを周りの人に布教していって欲しい。
人に伝える要素が詰まっている



『「好き」を言語化する技術』には、人に伝える要素が詰まっている。
SNSはもちろん、音声や文章での発信まで、主要なメディアでの方法をわかりやすく解説してくれている。特に、文章で伝える部分に関しては、いろんな場面で活用できるため必見だ。
内容に関しては、僕たちブロガーが日々意識している部分も多かったんだけど、それ以外にも小説家や営業など、様々な面で活かせるテクニックが紹介されている。仕事で言えば、プレゼンにだって有効活用できる。
本当? と思う人は、ジャパネットたかたを思い出して欲しい。本書で紹介してくれている内容を、使いこなしているから。
僕たちが生きているこの社会において、人にどうやって伝えるかは大きな命題だ。社会人はもちろん、学生の子たちも難儀していると思う。
こうして毎日文章を書いている僕自身、毎日悩んでいる。だって正解がないんだもの。100人いたら、100通りあるのがコミュニケーションなのだ。
『「好き」を言語化する技術』では、その中でも共通したポイントを紹介してくれている。今回引用した部分以外にも日常生活で活かせる部分がたくさんあるから、ぜひ読んでみて欲しい。
でも真新しさはないかも



ここまで話したように、『「好き」を言語化する技術』は。人に伝えるためのノウハウが詰め込まれている本だ。読めば、「推し」を伝えられるだけでなく、ビジネスを含めていろんな場面で使えるのは間違いない。
間違いないのだが……当たり前のことしか書かれていないのもまた事実だ。つまるところ、人に伝えるための技術を解説している本を読んだことがある人なら、既知の技術ばかりということになる。
とはいえこれは当たり前の話で、人にわかりやすく伝える方法が、そんなポンポン変わるわけがない。普遍的な技術だからだ。
そのため、これまでビジネス書や自己啓発、仏教などで人に伝える技術を学んできた人にとっては、復習の意味合いが強くなる。
「何か新しいことが書かれているかも?」と期待するのは止めておいた方が良いだろう。
総括:「好き」を言語化する技術を身につけてどんどん発信しよう



『「好き」を言語化する技術』は、推しの魅力を伝えるために、ぜひ読んで欲しい1冊だ。布教の際に大きな効果を発揮してくれるのは間違いない。
特に、「ヤバい」「最高」のように抽象的な言葉しかアピールできない人は、必読と言える。だって意味わからんもん、聞いてる側からすると。
また、言語化は単なる推しを布教するだけでなく、様々な場面で活用できる手法でもある。仕事でもプライベートでも、人に過不足なく伝えるためには必須の能力と言っていい。
『「好き」を言語化する技術』には、そうした技法がわかりやすく書かれてある。思うように人に言葉を伝えられなくて困っている人は、ぜひ読んでみて欲しい。おすすめだ。


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