【買うな!】サンスター文具『metacil(メタシル)』は実用性に欠ける金属製の鉛筆【レビュー】

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メタシル

削らなくてもいい鉛筆を探してはいないだろうか?

僕は探している。それが鉛筆の良さを無くすことであろうとも、「削らない鉛筆」という言葉の魔力には勝てない。

そんな折、サンスター文具から「metacil(メタシル)」と呼ばれる文具が発売された。

そのキャッチコピーは「削らず、16km」。おいおい、マジかよ。

ということで、さっそく購入してしばらく使ってみた。今回はサンスター文具の「metacil(メタシル)」をレビューしていこう。

  • 削らない鉛筆って使えるの?
  • 鉛筆じゃないっぽいけど、ちゃんと消しゴムで消える?
  • 新世代の文房具を使ってみたい

そんな人の参考になるだろう。なお、結論から言うと実用的では無い。今はまだ買ってはいけない。

あさき
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目次

サンスター文具『metacil(メタシル)』は削らずに16km書ける金属の鉛筆

「metacil(メタシル)」はサンスター文具が製造・販売しているメタルペンシルだ。メタルペンシルでmetacil(メタシル)。実にわかりやすい。

日本語にすると金属鉛筆となるわけだが、その構造は非常に簡単で、黒鉛を含んだ特殊合金で作られた芯と紙を摩擦させることで筆記する仕組みとなっている。

それ凄い! と思うかもしれないが、実はこの技術自体は500年以上前から既に実用化されている。

有名どころではレオナルド・ダヴィンチが木の棒の先端に金属がついたペンでデッサンしていた。

イーサーグラフと呼ばれる特殊な合金が紙と摩擦を引き起こすことで筆跡を残していたのだ。

metacil(メタシル)はその技術を更に発展させ、違う点があるとすれば黒鉛を含んでいるという点。鉛筆でも利用されている鉛を使うことで、消しゴムで消せるようになった。ついでに字の色も濃くなった。まさに現代版イーサーグラフなのである。

ここで注目したいのが、従来イーサーグラフを使っていて難点だった“消しゴムで消えない”点。間違えたら消させてくれ。消えないのは人生の過去だけでいい。

しかしmetacil(メタシル)はしっかり消えてくれるので、鉛筆としてより実用的になってくれている。しかもボディがアルミなので非常にスタイリッシュ。

鉛筆の外見と相まって、まさしく近未来の鉛筆という仕上がりになってくれている。

ぶっちゃけデザインだけでも満足感がある。

しかししばらく使っているとすぐにわかる。ああ、これは観賞用だなと。

それが何故なのか詳しく見ていくとしよう。

サンスター文具『metacil(メタシル)』レビュー

メタシル

さっそくサンスター文具「metacil(メタシル)」をレビューしていく。

今回も1ヶ月ほど使ってみての感想だ。

削らなくても16km書ける

metacil(メタシル)は削らなくても16km書ける。距離だけ言われても感覚が良くわからないだろうから、参考までに以下の表をみてくれ。

種類 筆記距離
metacil(メタシル) 16km
鉛筆 50km
油性ボールペン 1.5km
シャープペンシル 240m(芯1本)

ノーマルの鉛筆の筆記距離がイカレているのには目をつぶるとして、油性ボールペンやシャープペンシルと比べても長い距離を書けるのがわかる。

シャープペンシルの場合、50本入りのケースに入っている芯を全て使ったとしても12kmほどなので、metacil(メタシル)はそれ以上に書ける計算。

これだけの距離を、削らず・芯を替えずに使えるのは最高だ。書くことに集中できると、その分目の前のことに集中できることを意味する。

削らなくても16km書けるのは、metacil(メタシル)を使う上で大きなメリットと言えるだろう。

消しゴムでちゃんと消せる

metacil(メタシル)は消しゴムでちゃんと消える。黒鉛を含んでいるから、鉛筆やシャープペンシルと同じように消せるのだ。消せるボールペンのようにとりあえず隠しておく仕組みでもない。そのため勉強からビジネスまで幅広く使える。

消す際に若干の力は必要だが、良い消しゴムを使えば鉛筆やシャープペンシルの文字を消すのと同じ感覚で消せる。僕の愛用しているMONO消しなら問題なく消せる。若干の跡が残るのはご愛敬だが、消せるだけで充分だ。消しゴムでもちゃんと消えるのは、metacil(メタシル)を使っていて嬉しいポイントである。

ちなみに透明な消しゴムことクリアレーダーだと全く消えない。

手が汚れない

鉛筆を使っていて気になるのが、手の汚れだ。長時間書いていたら紙と接していた部分が真っ黒になっていた、なんて経験はみんな一度くらいはあるだろう。しかしmetacil(メタシル)は汚れない。どれだけ使っても汚れないのだ。後で手をゴシゴシと洗わなくていいのは地味だがありがたい。しかもmetacil(メタシル)で書いた字や絵は、上から水や水性マーカーを塗っても全く滲まない。下書きようとしてもバッチリ使えるわけだ。

鉛筆やシャープペンシルを使っていて手の汚れが気になっている人は、metacil(メタシル)を一度使ってみると良いだろう。手が汚れない開放感を味わえる。

新しい鉛筆を使っている感がある

メタシル

metacil(メタシル)のボディは全て金属だ。そのため従来の木でできた鉛筆と比べて「新しい鉛筆を使ってる!」という謎の感情に襲われる。ボディもマットな質感となっているため、チープさも感じられない。

筆記ができる先端部分は回すだけで簡単に外れる。それだけを見るとシャープペンシルのようだ。削らなくても良い点だけ見ても新世代の鉛筆っぽいのに、ボディの質感も相まってより新しい鉛筆を使っているような印象を受ける。

人と違うものと使いたい人にはピッタリと言える。

ボディカラーは全部で6色

metacil(メタシル)のボディカラーは多く、全部で6種類が販売されている。主な種類は以下。

  • ブラック
  • ホワイト
  • ネイビー
  • ベージュ
  • レッド
  • ブルー

僕が買ったのはホワイト。大人っぽさを演出したいならブラック・ネイビー・ベージュあたりだろうか。

芯が黒いので、個人的には暗めの色を推奨したい。ホワイトを使っていて思うのだが、妙なツートンでちょっと気持ち悪い。従来の鉛筆と違ってボディカラーが豊富なので、選ぶ楽しさがある。お気に入りの色を選べば、より楽しくmetacil(メタシル)を使えるだろう。

悪い点①:重たい

メタシル

metacil(メタシル)は悪い点が結構目立つ子だ。中でも気になるのがその重さ。全身が金属質なのだから当たり前なのだが、ぶっちゃけ重たい。長い距離を書けても本体が重くて書くと疲れるなら意味がない。まるでスタミナのない長距離選手だ。

ちなみに重さは以下を参照。

種類 重さ
metacil(メタシル) 13.5g
鉛筆 4g

普通の鉛筆の3倍ほどある。そりゃ疲れるわけだ。一般的なボールペンと同じくらいの重さがあるのだが、書く際にかける筆圧はmetacil(メタシル)の方が強いので、疲れやすさはmetacil(メタシル)に軍配が上がる。要は書いていると重くて疲れるのだ。

そのため長い時間metacil(メタシル)で字を書こうとはあまり思わない。せいぜいがメモ書き程度だけ。アイデア出しで使おうものなら字の薄さもあって相性が悪い。イライラして全く集中できない。正直、この重さは鉛筆と名乗るには少々重すぎる。

悪い点②:字が薄い

メタシル

metacil(メタシル)の字はめちゃくちゃ薄い。いやま、僕が普段からBや2Bを愛用しているというのもあるが、それにしたって薄い。ちなみに字の濃さは2H。ようわからんという人向けに表にしてみよう。主に使うものだけ抜粋する。

字の濃さ 芯の硬さ 表記
薄い
↑↓
濃い
硬い
↑↓
柔らかい
2H
H
F
HB
B
2B

見てもらえればわかるように、2Hは字が薄くて芯が硬いのが特徴だ。これでも黒鉛が入っているからまだ濃い方ではあるのだが……。

正直、metacil(メタシル)を使っていて一番不満なのが字の薄さだ。使っている人間がどう工夫したところで字の薄さだけはどうにもならない。字を書いたのに、書いた字が一目でわからないってどういうことだ。力を入れれば多少は濃くできるが、そうすると手が疲れるのに加え、ノートだと裏面や次のページに跡が残る。頼むから快適に字を書かせてくれ。

はっきり言って、この薄さはどうにもならないくらい実用性がない。紙質である程度のカバーはできるものの、鉛筆と同じ感覚で使うには少々物足りないのである。

悪い点③:16kmしか書けない

メタシル

metacil(メタシル)は16km書けることを宣伝しているが、個人的な印象としてはたった16kmというのが強い。鉛筆が削りながらではあるが50km書けるという点から考えても、3分の1程度しか書けないわけで当然だ。

シャープペンシルは芯がすぐ無くなってイライラする時もあるが、市販されているケースには多くの芯が入っている。使い切る頃にはmetacil(メタシル)と同じくらいの距離を書ける。しかも近年はオレンズのように芯を自動で繰り出してくれる機能を搭載しているシャープペンシルまである。ぶっちゃけ1回ノックすれば芯が無くなるまで書けるのなら、シャープペンシルでいい。芯の濃さも選べるから、自分の好きな濃さで字が書ける。

総じて、16kmしか書けないというのは何らメリットになっていない

metacil(メタシル)でしばらく書いていると先端が削れていくから、字も太くなっていく。シャープペンシルならそれがない。クルトガのように先端を常に尖っている状態にしてくれる機構を搭載したシャーペンまであるのだから、なおさらだ。他にも鉛筆は50kmという長距離筆記に加え、軽くて疲れにくいというメリットがある。

その両方が無いmetacil(メタシル)は、魅力に欠ける。どうしても観賞用という点から抜け出せていない。

悪い点④:コスパが悪い

メタシル

metacil(メタシル)最大の悪い点なのだが、コスパが悪い。なぜなら、替え芯がない。先端を取り外せていかにも交換できそうな空気を醸し出しているのにもかかわらず、先端の替え芯がないのである。そのため全てを使ったら新しいmetacil(メタシル)を買わないといけない。どんだけコスパが悪いんだ。1本990円と安く感じられるが、トンボの鉛筆「8900」なら12本入りで528円。比べるまでもない。

替え芯が発売されたらまた感想も変わるが、2022年8月現在においてmetacil(メタシル)に対して抱く評価は「コスパが悪い」の一言に尽きる。ネタとして買うなら止めはしないが、それ以外で買うのはハッキリ言ってオススメしない。

サンスター文具『metacil(メタシル)』はコスパの悪い観賞用の鉛筆

サンスター文具「metacil(メタシル)」は黒鉛を含んだ金属のペン先を使って書ける鉛筆だ。ボディも金属質なことから、近未来の鉛筆という印象を受ける。鉛筆らしさを残しつつ16kmもの長距離を書け、かつ手が汚れないので使いやすい鉛筆と言える。ボディカラーも6種類あるので選ぶ楽しさも味わえるだろう。この点において、非常に魅力的な鉛筆なのは間違いない。

しかし肝心の実用性は未完成だ。

金属質のボディはボールペンより重く、肝心の字も2H相当と非常に薄い。16km書けるのは嬉しいが、鉛筆は50kmも書ける。替え芯も販売されてない点から考えても、使い切ったら同じ商品を買わなければいけない。挑戦的な商品であり使っていて楽しい部分はあるのだが、それらを全て意識させないくらい実用面がダメダメだ。

そのためネタや観賞用として買うのならオススメだが、しっかり書ける文房具を探しているのなら買わない方が良い。

  • 実用できるほどのクオリティではない
  • ネタ文房具としては非常に面白い
  • 替え芯が販売されるまでは放置でOK

後悔する買い物をしないようにしてくれ。

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