
【簡単です】親指シフトの入力方法を親指シフターが解説。キーボードも紹介





親指シフトを習得したいけど、できるか不安




親指シフトの入力が難しすぎるんですけどぉ!?
などと考えていないだろうか?
わかる。僕もそうだった。親指シフトを頑張ろうと思い練習を始めて、2025年6月現在は何とか実用的になりつつあるが、最初はひどいものだった。
だが、習得できたからこそ、「親指シフトの方が良いやん」と感じるようになったのも事実。メリットは確実にあったと断言できる。
そこで今回は、「親指シフトを習得する方法」について解説する。「効率的に習得するための手順」や「ポイント」、「オススメのキーボード」についても紹介しているから、以下のような人はぜひ参考にしてみて欲しい。
- 親指シフトの練習方法を知りたい
- 親指シフトの習得を挫折してしまった
- 親指シフトが難しすぎて、なかなか習得できない
親指シフトは日本語入力に特化した入力方法



親指シフトは、日本語入力に特化した入力方法だ。その歴史は古く、1980年にまでさかのぼる。富士通が開発した親指シフトは、その入力効率の良さも相まって、40年以上も愛されている入力方法だ。
そんな入力方法について、まずは以下にわけて解説する。
- ローマ字入力より入力効率が良い
- 全く疲れない
- 作家やライターにも愛用者が多い
- 親指シフターはレアだから仕事に繋がる可能性もある
ローマ字入力より入力効率が良い



親指シフトは、ローマ字入力よりも効率が良い。NICOLAが公表している、天声人語(約700文字前後)を入力したデータを見てみよう。
親指シフト | かな入力 | ローマ字入力 | |
---|---|---|---|
打鍵数合計 | 1,001 | 1,211 | 1,773 |
文字キー | 994 | 994 | 1713 |
濁音キー | 0 | 100 | 0 |
シフトキー | 0 | 0 | – |
かな記号キー | 0 | 100 | 55 |
その他キー | 7 | 17 | 5 |
打鍵数 / 漢字かなまじり文字数 | 1.29 | 1.56 | 2.29 |
上記を見ればわかるように、親指シフトが1文字入力するのに平均1.29打鍵なのに比べて、JISは1.56打鍵、ローマ字入力は2.29打鍵だ。一説ではローマ字入力よりも1.7倍ほど速くなるらしい。
とはいえ、あくまでも理論値。実際に入力していると、そこまで速いとは感じられない。早くて1.2倍くらいだ。
紹介したNICOLAのデータもいろんな場所で引用されてはいるけど、全ての人に当てはまるわけじゃない。
ただ、親指シフトで入力していると、ローマ字入力の非効率さを実感するのも事実だ。1打鍵で1文字打てるのは、想像以上に快適だと感じられる。
全く疲れない



親指シフトは、ローマ字入力と比べて全く疲れない。入力していると直に感じるんだけど、同じ1万字でも指の疲労感が全く違う。




そりゃ、1打鍵1文字なんだから、当たり前よね
ローマ字入力と比べて指の可動範囲が狭くて済むから、長時間のタイピングにも耐えてくれる。
ただし、以下のシチュエーションはその限りではない点には注意して欲しい。
- キーボードが親指シフトに向いていない
- メンブレンキーボードのようにキーの抵抗が強い
親指シフトにキーボードが向いていない場合、どうしても無理な形で入力することになるから、指が疲れやすい。不安な人は、「変換キー + Y、H、N」を同時押ししてみて欲しい。これでしんどかったら、指が疲れる可能性が高い。ソースは僕。
もう1つ注意したいのが、メンブレンキーボードのようにキーの抵抗が強い場合だ。特に小指で入力する言葉に関しては、キーの抵抗が強いと小指が疲れやすい。
そのような場合は、キータッチを45gか30gのものを選ぶか、加重を変更できるタイプのものを選ぼう。もしくは、ノートパソコンに搭載されているパンタグラフでもOK。
ただ、パンタグラフは誤入力しやすいのもあって、あまりオススメはしない。
いずれにせよ、親指シフトは慣れると全く指が疲れない。長時間の日本語タイピングにはぜひ習得しておきたいスキルだ。
作家やライターにも愛用者が多い



親指シフトは作家やライターのように、文章を書く人にも愛用者が多いことで有名だ。公表している人の中には、以下のような方々がいる。
- 姫野カオルコ
- 宮部みゆき
- 谷川流
『本の雑誌 2025年3月号』では作家の執筆環境という特集が組まれていたんだけど、それでも何人かの作家さんが親指シフトを愛用していた。中には、生産が終了した富士通のキーボードを買いためている人もいたほどだ。
頻繁に入力をする人ほど、親指シフトは魅力的らしい。僕も書き物が仕事だから、良くわかる。
親指シフターはレアだから仕事に繋がる可能性もある



親指シフトで入力する人のことを、世間では親指シフターと呼ぶ。多くの人がローマ字打ちで入力している現代において、親指シフターは非常にレアな人材だ。実際、僕も他社との打ち合わせなどで親指シフトの話をしたことがあるが、ほとんどの人が知らなかった。
そのため、親指シフターですと言うと、それだけで何かしらのビジネスチャンスに繋がる可能性がある。例えば、親指シフターといえばの株式会社あみだす代表取締役である大東信仁さんは、親指シフトを中心として様々な事業を手がけている。
親指シフターという肩書きは、意外と強い。話の種にもなるだろうから、習得してみるのも手だ。
入力スピードなら音声入力の方が速い



元も子もないことをいうと、ただ単に入力スピードを重視するなら、音声入力をした方が速い。比べるのが失礼になるくらい差があるから、入力速度を上げて業務を効率化したい人は、親指シフトよりも音声入力をすることをオススメする。
例えばなんだけど、生産性オタクであるシバタさんによると、以下のように違うらしい。
- 書く(タイプする):70文字 / 分
- 話す・聞く:300文字 / 分
- 読む:600文字 / 分
どれほどタイピングを極めようと、話す速度には勝てない。こんなに速いの? と思う人もいるかもしれないが、僕の体感としてもこれくらいはある。途切れることなく音声入力をすれば、1時間で18,000文字も入力できる。喉はカラカラになるけど。
ただ、どんな職場でも音声入力ができるわけではないから、声を出せない環境で働いている人には、親指シフトが最も効果的な方法なのは間違いない。
自分がタイピング速度を上げて作業したい環境に合わせて、どの入力方法が最も効果的なのかを探していくようにしよう。
親指シフトを習得できたオススメの方法・手順



僕は現在、ローマ字入力と親指シフトの両方を使って入力している。親指シフトもの入力速度も実用的なレベルになってきたから、ここでひとつ、僕が習得できた方法を紹介しようと思う。
以下の方法で進めてみて欲しい。
- キーボードを確認する
- 「やまぶきR」をインストールする
- 入力方式を決める
- キー配置を見える場所に貼る
- ひたすら親指シフトで入力する
- 寿司打を使って定期的に入力速度を振り返る
Step1.キーボードを確認する



まず、親指シフトを入力しようと考えているキーボードを確認して欲しい。なぜかって? 入力の快適さに直結するからだ。
親指シフトを入力するキー配置の理想は、スペースキーがBの位置でなくなっている点。時点でN。ギリギリ許容できるのが、Mキーの左端だ。右端まで行くと入力がしんどくなる。
一方で使いにくいのは、以下のようなキーボードだ。



Mキーの右端にかかるくらいスペースキーが長くても入力はできるんだけど、一部のキーがめちゃくちゃ入力しにくくなる。ストレスなく入力するなら、ぜひスペースキーの位置を確認して欲しい。
Step2.「やまぶきR」をインストールする



次に、「やまぶきR」というソフトをインストールする。親指シフトはそのままだと入力できないから、ソフトを使ってエミュレーター形式で入力する形になる。以下にリンクを設置しておく。
なお、やまぶきRはインストールしても設定でいつでもローマ字入力に戻せる。僕もちょこちょこ戻しているから、間違いない。
親指シフトが合わなかったら、最悪アンインストールすればいいから、とりあえずで挑戦してみよう。
Step3.入力方式を決める



次に入力方式を決める。一口に親指シフトと言っても、様々な入力方式があるためだ。オススメは以下。
- NICOLA形式+拗促音
- orz方式
僕がメインで使っているのは、NICOLA形式+拗促音の方。濁点や小さい文字まで打てるから重宝している。一方のorz方式は、以下のようにタイピングしやすい形にズラしたタイプとなる。
スペースキーの流れ次第で使いやすくなるんだけど、「」などの記号が使いにくくなったから、僕には合わなかった。とりあえず試してみて、合う方を使うのがオススメ。
Step4.キー配置を見える場所に貼る



入力方式を決めたら、次に良く見る場所にキー配置を印刷した紙を貼り付ける。僕の場合、上の画像のようにモニター下に貼り付けている。
親指シフトとローマ字入力は全く違う。そのため、最初は必ず戸惑う。でも、キーを見て入力すると100%習得できない。だからこそ、指でキー配置を覚える必要がある。
そこで編み出したのが、キー配置をモニターに貼る方法。このおかげで、キー配置をすぐに覚えられた。効果は抜群だ。
Step5.ひたすら親指シフトで入力する



環境が整ったら、後はひたすら親指シフトで入力していく。アナログだが、これが最も効果のある方法だ。途中、ローマ字入力に戻したくなることもあるかもしれないが、なるべく親指シフトで乗り切ろう。
その際、以下の点には注意して欲しい。
- 速度を意識しない
- 急ぎの場合はローマ字入力に戻す
親指シフトはローマ字入力と比べて入力速度が速いのは事実だ。だが、それは副次的な効果に過ぎない。最も大きなメリットは、指が疲れないことにある。
しかし、慣れてくるとつい速度を気にしてしまいそうになる。すると、徐々にイライラし始めて「こんなんやってられっかぁ!」と挫折してしまう。
だから、1文字1文字を正確に打つのを意識して入力していって欲しい。急ぎの場合はローマ字入力でも大丈夫だ。




あれっ、親指シフトの方が疲れないぞ……?
と実感できたらしめたもの。挫折せずに取り組めるようになるだろう。
Step6.寿司打を使って定期的に入力速度を振り返る



とはいえ、入力速度が気になるのも事実だ。そこでオススメなのが、「寿司打」だ。タイピングソフトの代名詞だから、知っている人も多いと思う。
この寿司打、実はやまぶきRにも対応している。つまり、親指シフトでも入力できるのだ。
僕のように毎日文章を書いている人間でもない限り、コンスタントに一定以上の文字数を打っていくのは難しい。そのような場合は、寿司打を使って練習していこう。自分の入力速度が客観的にわかるから、成長を実感できてモチベーションアップにも繋がる。
親指シフトを入力するときのポイント



親指シフトを入力するときには、意識したいポイントがある。実際、僕も親指シフトを習得する際は、先輩親指シフターからいろいろ伝授してもらった。
今回は、そんな中から実際に効果があったなと実感したものを紹介する。以下の4つの方法だ。
- タイピング練習から入らない
- 速度よりも正確性を重視する
- キーボードを見て入力しない
- しんどい時はローマ字打ちに戻す
タイピング練習から入らない



初めて親指シフトを入力する際は、実践じゃなくてタイピング練習から入ろうと考える人も多いかとは思う。ハッキリ言って、ほとんど効果は無い。
僕も親指シフトを始めてすぐの時はタイピング練習をしていたんだけど、実践に勝る経験はなかった。遊びや休憩でやるのは全く問題無いんだけど、親指シフトを習得するためにタイピング練習をメインに据えるのは、やめておこう。
速度よりも正確性を重視する



親指シフトは理論上、ローマ字入力よりも入力速度が速い。ローマ字入力では2回入力が必要な文字でも1文字で打てるんだから、当たり前だ。
ただ、速度を意識しすぎると上達がしにくい。思ったような速度でタイピングできないあまり、イライラする可能性もある。僕もなった。
忘れないで欲しいのが、親指シフトを使う最大のメリットは、
- 正確に打てる
- 指が疲れない
以上2つだということ。この2つを忘れてしまうと、親指シフトの習得は途端に難しくなる。思うように入力できず、早晩、挫折してしまうだろう。
親指シフトを習得する際は、なるべく速度を意識しないようにしてみてくれ。
キーボードを見て入力しない



親指シフトを入力し始めると、ついキーボードを見ようとしてしまうかと思う。そんな場合は、鋼の意思でキーボードに視線を向けないようにしよう。
特殊な配列だから、見たところでわからないし無駄だ。また、見ながら入力すると脳がサボって文字の位置をなかなか覚えられないというのもある。脳はサボり魔だからね。
ではどうしているかというと、キー配置を印刷した紙を見える場所に貼って、それを見ながら入力するだけ。僕の体感では、1週間もすれば大体のキーの場所は覚えられる。
しんどい時はローマ字入力に戻す



親指シフトを習得していると、




もう無理……速く文字が打てないと納期に間に合わない
と思う場面が必ず出てくる。そんな場合は、気にせずローマ字入力に戻してOK。仕事や趣味に支障が出るくらいなら、一時的でもいいから対応できる速度の入力方式に戻した方が、ストレスを感じない。
習得は少し遅くなるかもしれないが、挫折する可能性は大きく下がる。僕もたまにローマ字入力に戻すが、親指シフトも問題無く使えている。
親指シフトの習得には時間がかかる。最低でも半年は見ておいた方が良い。その中で挫折しないようにするためには、自分の中で一定のルールを作っておくと良いだろう。
親指シフトを練習する人にオススメのキーボード



親指シフトを習得するには、キーボードにもこだわった方が良い。親指シフターの中には、生産終了した富士通のキーボードをいくつも持っている人がいるくらい、キーボードは重要だ。
ここからは、個人的に使用+親指シフターの知り合いからオススメされたキーボードを紹介する。ぜひ参考にしてみて欲しい。
リアルフォース R3HI17



リアルフォースの「R3HI17」は、現状、最も親指シフトを入力しやすいキーボードだ。上の画像を見て欲しいんだが、見事に対応している。
Amazonでのレビューでも、多くの人が満足しているようだ。



実際、僕も使っているのだが最高としか言えない。キー入力が少し重たいから、リアルフォースのアプリで設定が必要にはなるが、それ以外は満点。
高額なので手が出しにくいが、1億回のタイピングに耐えられるので、親指シフトを挫折してもずっと使っていける頼もしさもある。オススメだ。
HHKB(日本語配列)



HHKBも親指シフトにオススメのキーボードだ。実際、多くの親指シフターたちがオススメしているので、実績もある。
僕も1度使ってみたが、確かに親指シフトを入力するなら最高の一品だった。
ただ、使い方が独特すぎるから、合う合わないが明確にわかれてしまうのが難点。値段が少々お高いという点も考慮すると、以下のサイトからレンタルでお試しするのが良いと思う。
\ HHKBをレンタルしてみる! /
分割キーボード



親指シフトを入力するなら、分割キーボードもオススメ。スペースキーが2つになっているから、そのまま親指シフトを入力できる。余計なセッティングは一切不要だ。
工夫次第でエルゴノミクス風にもできるから、自由度の高さではトップクラスといえる。
ただ、お試しで試すには少々お値段が高めなのがネック。少し遠くはなるが、秋葉原や大阪日本橋なら触れるお店もある。気になる人は触ってみよう。
エルゴノミクスキーボード



手に負担をかけにくいエルゴノミクスキーボードもオススメ。いろんな種類があるんだけど、例えば上の写真ように、キーボードが分割されているタイプだと使いやすい。
僕が親指シフトについてアドバイスを受けている恩師も、このタイプのキーボードを使っているから、親指シフターとの相性は良いといえる。
イメージとしては分割キーボードに近いから、使いやすかったり、入手しやすかったりするなど、好みに合わせて選ぼう。
ノートパソコン



親指シフトを入力するなら、実はノートパソコンもオススメ。参考までに僕が使っているドスパラのTHIRDWAVEの配列を見てみよう。



変換キーがNキーの下にあるから、従来のキーボードと比べて親指シフトをしやすい配列なのがわかると思う。ポメラのDM250より入力しやすい位置にある。
このようなキーボード配列のノートパソコンを持っている人は、新たにキーボードを買う必要はない。無駄遣いせずに、目の前のキーボードを使って親指シフトで入力しよう。
ただし、ノートパソコンのキーボードはパンタグラフなので、キー配列を憶えるまでが大変という側面がある。正直、僕は無理だった、
入力できるかも? という人は、まず何日か試してみて、覚えやすいかどうかを感触で考えてみると良いだろう。
親指シフトの習得は根気が必要。焦らずじっくり取り組もう



親指シフトは、自宅で仕事をする人が増え始めたのもあって、再注目されかけている入力方式だ。従来のローマ字入力・かな入力と比べて特殊な配列なので、覚えるのには相応の時間がかかる。習得するなら根気強く取り組もう。
もし難しいと感じた場合は、適宜ローマ字入力に戻してみたり、キーボードを変更してみたりといった方法がオススメだ。両方とも効果を実感している。特にキーボードの影響は大きいから、余裕のある人はぜひキーボードから入ってみて欲しい。
それなりに高いキーボードだと元を取りたくなるから、より力が入るのでオススメだ。焦らずじっくり習得し、周囲を驚かせてみよう。
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