短い万年筆って知ってる? PILOTの万年筆:エリート95S【レビュー】

短い万年筆って知ってるかい?

ショートサイズとも呼ばれる万年筆で、昭和の時代に発売されていた万年筆の種類のひとつだ。国産ではPILOT、プラチナ、セーラーとそれぞれ発売していたが、自然消滅してしまっていた。

そんなショートサイズの万年筆だが、現在PILOTだけ販売している。

今回はそんなPILOTのショートサイズ万年筆「エリート95S」を1年使ったレビューをしたいと思う。

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ショートサイズ万年筆:エリート95S

エリート95Sは、PILOTが発売している万年筆だ。その歴史は古く、昭和43年まで遡る。

当時は「エリートS」として発売し、入学祝い・就職祝いとして若い世代に大ヒットしていた。

あの大橋巨泉も愛用していた商品で、「はっぱふみふみ」という名言?を生み出している。

https://youtu.be/WfGBiQsvbHE

持ちやすいサイズに加え、15gという軽さが大きな特徴だ。

実は根強いファンも多く、人によっては全てのペン先を揃えている猛者もいる。

使い心地①:短いのは利点

ショート万年筆というくらいだから、当然ボディは短い。119mmと、なんと12cm未満。

一般的な万年筆と比較してみても、その短さが良くわかる。

しかし一方で、キャップポスト(キャップをペンの後ろにつけること)をすると、あら不思議。長さが同じになる。

なので、「サイズが短いんだから書きにくいんじゃないの?」という疑問は、全くの的外れとなる。

持ち運ぶ時は短くスマートに。

書く時は長く普段通りに。

という、良いとこ取りをした万年筆なのだ。

使い心地②:ペン先がしなやか

エリート95Sのペン先は、ペン先とボディが一体化している「フーデッドニブ」というものになる。個人的にめちゃくちゃ好きなペン先だ。かの有名なウォーターマンのカレンもそれに当たる。

しかしこのフーデッドニブ。デザインは突き抜けているのだが、ペン先が硬いという大きな弱点がある。当然だ、ボディとペン先が一体化しているのだから、通常のペン先のような〝しなり〟を生み出しにくい。

しかしそこはPILOT。熟練の腕の見せ所。

エリート95Sのペン先は、14K。14Kとは金の含有量のことで、58.5%含まれている。つまり、半分以上が金。凄い。

当然だが、金はステンレス(鉄ペン)よりも〝しなる〟ので、フーデッドニブでも心地よい書き味に仕上がっている。

僕はエリート95SのM字幅(中字)を使っているが、同じ字幅のコクーンより圧倒的に書き心地が柔らかいので、さすがPILOTと言わざるを得ない。

使い心地③:キャップポストがめちゃくちゃ気持ち良い

これはもう好みの問題になってしまうのだが、エリート95Sはキャップポストした時の感覚がすんごい気持ち良い。

そりゃ、キャップポストして使う前提なのだからこだわって作られていて当然なのだが、それにしたって気持ち良い。

無理矢理入れている感覚もないし、「カチッ」という音もしない。

ただ、すっ――と入っていく。例えるなら、賞状を入れる筒から蓋を取る感覚。無意味に何度でもやりたくなる。

小さなことだが、ここにもPILOTの商品へのこだわりが感じられて、好感を持てる部分だ。

使い心地④:カートリッジとコンバーターの両方が使える

コンバーター激オシのPILOTらしく、エリート95Sももちろんカートリッジとコンバーターの両方が使える。

事務的に使いたいならカートリッジ。

インクを楽しみたいならコンバーター。

というように、使うシチュエーションに合わせて使うことができる

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悪いポイント①:デザインは普通

国産万年筆のため仕方ないのだが、色のバリエーションは少ない。

いつもの無難な仏壇色(黒と金)と、ディープレッドの2種類のみ。

ディープレッドは男性向けというより女性向けだろう。

良くを言うなら、もう少し色の種類が欲しかった。使うインクの色を楽しむ前に、ボディの色を選ぶ楽しみが欲しい。

悪いポイント②:字幅の種類が少ない

エリート95Sは字幅が少ない。

  • EF:極細(0.28mm)
  • F:細字(0.38mm)
  • M:中字(0.5mm)

の三種類しかない。
万年筆はインクが滲むので、表記している太さより一回り太くなるイメージを持てば、大体想像できると思う。

エリート95Sのコンセプトが、「ワイシャツのポケットにぴったりサイズの万年筆」なので、仕事で使う用とすれば適切な字幅ではあるのだが、太字が好きな人には合わない。

悪いポイント③:コンバーターのインク残量が見えない

個人的に一番のマイナスポイントがこれだ。

写真を見てもらえればわかるように、インクタンクが全く見えない。あとインクがどれだけ残っているか、把握する方法が全くないのだ。

これがカートリッジなら、逆さに向ければインク残量がわかるのだけど、コンバーターだとインクを吸入する機構しか見えないから、マジでわからない。インク切れの不安と常に同居しなければならない。

コンバーターを使っておいてなんだが、エリート95Sは素直にカートリッジを使うことをオススメする。インクは別の万年筆で楽しんでくれ。

まとめ:悪い点はあれど、1万円ぽっきりで買える破格のショート万年筆

エリート95Sは使う場面を選ぶも、短い軸という希少性に加え、14Kのフーデッドニブ、取り回しの良さなど良い部分が光る。

1年ほど使っていて、気になる部分は上記の3つくらいなので、それらが気にならないのであれば、間違いなく満足させてくれる万年筆だ。

・持ち運びは短いが、書く時は長くなる
・気持ちの良いキャップポスト(クセになる気持ちよさ)
・フーデッドニブがオシャレ

そんな風に考えられる人には、最高の相棒になる。

「銀座 伊藤屋」や「丸善」など、高級筆記具を取り扱っている文房具店なら確実に置いてあるだろうから、まずは一度、手に取って見ることをオススメする。

 

 

 

 

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