【絶対買え】PILOT『iro-utsushi<いろうつし>』は万年筆型つけペンの優等生【レビュー】

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iro-utsushiいろうつし

万年筆のインキをもっと気軽に楽しみたいと思ってはいないだろうか?

昨今、インキ沼という言葉もあって、様々なメーカーから万年筆用のインキが発売されている。PILOTの「iroshizuku<色彩雫>」なんてのはその最たるものだろう。

従来、インキを好きに使おうと思ったらガラスペンのようなつけペンを使うしかなかった。

しかし天下のPILOTが万年筆のつけペンを開発・発売してくれた。その名も「iro-utsushi<いろうつし>」。いと雅。

万年筆好きとしては買わない選択肢はない。さっそく買って2週間以上普段使いしてみたので、紹介しようと思う。

  • いろんなインキをもっと気軽に楽しみたい
  • つけペンが好き
  • 万年筆のペン先をしたつけペンってない?

こんな悩みを持っている人にオススメだ。

あさき
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目次

PILOT『iro-utsushi<いろうつし>』はインキを気軽に楽しめる万年筆

iro-utsushiいろうつし

PILOTの「iro-utsushi<いろうつし>」はインキを気軽に楽しむための万年筆だ。そもそも万年筆自体、インキを気軽に楽しめるものではなかった。

好きなインキがあれば入れ替えればいいのだけど、それには万年筆のインキを全て使い切らなければいけない

すぐに使いたいのにムキー! とどれだけ思ってもインキが残っていては使えなかったのだ。そのため、インキの入っていない万年筆を試筆のごとくインキにつけて使うかガラスペンしか選択肢がなかった。

最近では面白いインキも沢山出てきているから、余計に「インキを使いたいけど使える万年筆が無い」という状態になっていた。中にはインキのために万年筆を買う人がいるほど。いやま、僕もそうなんだけど。

しかしiro-utsushi<いろうつし>は違う。ペン先をボトルインキに浸けるだけで字が書ける。インキを変えたいなら水でさっと洗い流すだけ。しかもペン先は万年筆だ。

これまで万年筆のつけペンはセーラー万年筆の「hocoro」しかなかったのだが、PILOTもようやく本腰を入れてくれた。多彩なiroshizuku<色彩雫>を好きなだけ使えるようになったのだ。

そのためiro-utsushi<いろうつし>はインキを気軽に楽しみたいと考えている人にピッタリの万年筆と言える。

PILOT『iro-utsushi<いろうつし>』レビュー

iro-utsushiいろうつし

さっそくPILOT「iro-utsushi<いろうつし>」をレビューしていく。色彩雫<いろしずく>とセットになるようなネーミングは実に良い。

今回も2週間以上使ったので、普段使いする際の参考になるだろう。

ペン先をインキにつけるだけで書ける

iro-utsushiいろうつし

iro-utsushi<いろうつし>最大のポイントであり特徴でもあるのが、インキをつけるだけで字が書けるという点。

ボトルインキのサイズによってはペン先がどこまでインキについているのか見えない場合もあるが、何となくの感覚でOK。万年筆のようにインキがペン先に浸透してくるのを待つ必要も無い。つけているのだから当たり前ではあるが。

書きたい時にペン先をちょっとボトルインキにさえつければ、万年筆を使っている気分に浸れるのも嬉しい。もちろんボールペンのように何文字でもガシガシと書いていける筆記用具を使っているのなら、若干の不便さは感じる。

しかしその不便さも享受できるのなら、不満を感じないどころか楽しんで書けるだろう。1回使って慣れてしまえば、後はシャーペンをたまにノックするかの如く、自然な動作でペン先をインキにつけられるようになる。

ペン先にはガイドラインがある

iro-utsushiいろうつし

iro-utsushi<いろうつし>のペン先にはガイドラインがある。ここまでインキにつけてね、というマークだ。

一見すると良さそうに感じられるが、ちょっと待って欲しい。ぶっちゃけこれ、使えない

というのも、以下の画像を見て欲しい。実際にインキにつけている光景だ。

iro-utsushiいろうつし

上からだと見えない。全く見えない。インキの色が赤とかそっちの色になると多少は見えやすくなるのだろうが、少なくともブラックやブルーブラック、ブルーのような色だと全く見えない。

そのため感覚でペン先をインキにつけることになる。

ボトルの中に大量にインキがある場合はほとんど苦労しないのだが、インキが少なくなればなるほど鬼畜仕様になる。奥深くすぎて視線が届かないのだ。

iro-utsushi<いろうつし>のペン先をインキにつける時は、基本的に感覚で行うものだと覚えておいてくれ。

いろんなインキを楽しめる

iro-utsushiいろうつし

iro-utsushi<いろうつし>はいろんなインキを楽しめる。

何だそれ普通の万年筆でも同じやないか! と思うかもしれないがちょっと待って欲しい。iro-utsushi<いろうつし>は他社のインキでも使えるのだ。何しろつけペンだからね!

従来、万年筆で他社製のインキを使うことは推奨されていない。それは主に以下の理由によるものだ。

  • 自社の万年筆でインキのテストをしているので、ちゃんと使える保証ができない
  • 万が一の場合、万年筆が使えなくなる可能性がある

これらを考えると、そりゃ推奨しないわけだと納得である。自社インキじゃないと、複雑かつ繊細な万年筆の構造が対応できない可能性があるのだから、もし使う場合は自己責任でねとなる。この当たりは「えもちゃんねる」さんが詳しく解説しているので、そちらを見ても良いだろう。

その点、iro-utsushi<いろうつし>はつけペンなので他社のインキも使い放題だ。何しろペン先にインキをつけるだけ。いろんなインキを楽しみたいと考えている人にはピッタリの万年筆なのである。

ペン先は水洗いするだけでOK

iro-utsushiいろうつし

iro-utsushi<いろうつし>を使い終わったor別のインキを使う場合は、水洗いするだけでOK。僕の場合、万年筆を洗浄する用のコップがあるのでそれにペン先をつけている。

インキさえ落ちればすぐに別のインキを使うこともできるので、非常に便利だ。洗浄後は一度乾拭きをして水分を取った方が良いが、することと言えばそれだけ。

非常に取り回しの良いつけペンなのだ。

一方でペン先を必ず水洗いしなければならない点には注意したい。職場でペン先を水洗いできるところはそう多くないだろうから、使うなら家を推奨する。

だが手間といえばそれだけなので、ぱっと使いたい場合に重宝するのは事実。以前、複写じゃない書類を書くときに顔料インクをつけて使った時は、心の底から便利だと思った。

このようにパッと特定のインキを使いたい時に活用できるのが、iro-utsushi<いろうつし>の強みだ。

ボディは5種類

iro-utsushi<いろうつし>のボディは全部で5種類ある。大きくわけると2種類で、更に細分化して5種類という形になる。

何のこっちゃと思う人が多いと思うので、以下の表を見てくれ。

素材 金額
樹脂軸 ノンカラー 770円
クリアブラック
クリアブルー
木軸 ブラック 1,980円
モクメ

この中から僕が買ったのはモクメ。いつまで経っても経年変化を楽しみたい男心には勝てなかった。

一婦、店頭で販売されているのを見る限り、人気なのはノンカラーだった。こいつだけ1本もなく、逆に木軸は在庫過多の状態。ガラスペンを思わせるクリアボディなので、つけペンらしさが欲しいなら正直樹脂製の方が良いと思う。

また、注意したいのが金額だ。木軸の方が2倍以上高い。売れてなかったのはこれもあるかもしれない。木軸はちゃんと木軸しているのだけど、金額分の所有欲はあるかと言われると微妙。それならS20の方が遙かに満足度が高い。

なので、特別な理由でもない限り樹脂軸がオススメだ。

ペン先は2種類

iro-utsushi<いろうつし>のペン先は2種類ある。M(中字)とF(細字)と日本人が使いやすい太さなので、その当たりは安心していい。

ぶっちゃけMとFのどちらかを使うのは好みでしかないのだが、わからない人は以下を参照。

  • F(細字):0.38mm
  • M(中字):0.5mm

各字幅をボールペンの字幅に合わせると上のようになる。ただし紙の質によっても変わるため、滲みやすい紙だともっと太くなるので注意が必要だ。

以上を踏まえた上でiro-utsushi<いろうつし>のペン先はとなると、以下のラインアップとなる。

ボディカラー F(細字) M(中字)
ノンカラー
クリアブラック ×
クリアブルー ×
ブラック
モクメ

全てのボディがFとMに対応していないのがわかると思う。そのためiro-utsushi<いろうつし>を買う時は良く見た方が良い。いくらクリアブラックのMが欲しくとも、そもそも販売されていないので対応できない。

自分がどんな字幅で字を書きたいのかを考えてから買うのがオススメ。なお迷ったらF(細字)を選んでおけば大体何とかなる。

書ける文字数は100~150時程度

iro-utushiいろうつし

iro-utsushi<いろうつし>が1回で書ける文字数は大体100~150字程度だ。ただしこれはあくまでも体感。iro-utsushi<いろうつし>を使って紙にアイデアを書き出したりしていると、いつもそれくらいでインキが切れてしまう。

なので、使う場合は基本的に「ペン先をつける→使う→ペン先をつける」をひたすら繰り返すこととなる。この行動を面倒くさいとするかどうかが、iro-utsushi<いろうつし>を良い悪いと感じる分岐点だろう。

僕個人としては、面倒くさくはないがそれなら別のペン使おうかな……となる。なので、メインで使う場合はちょっと手間。

どっちかと言えば、万年筆に入れていないインキを少し使いたい場合に使う形となる。それくらいの緩い使い方がオススメだ。

ペン先はカバーで守る

iro-utsushiいろうつし

iro-utsushi<いろうつし>のペン先はむき出しだ。従って、ペン先は付属の透明なカバーで守る必要がある。

以前レビューしたセーラー万年筆の「hocoro」の場合、ペン先を取り外してボディに収納する仕組みだった。あれだとペン先は守れるのだけど、毎回ひっくり返すのが地味に面倒くさい。

iro-utsushi<いろうつし>は逆にペン先をむき出しのままにして、カバーをつけるようにした形。どちらが良いかは好みの問題なるだろう。

個人的にカバーがついていた方が安心ではあるのだが、毎回取り外していると劣化しそうで怖くもある。

iro-utsushi<いろうつし>を使うなら、ペン先をどうするかは考えることをオススメする。メインで使うなら、カバーをつけなくても良いだろう。逆に何かにぶつかりそうで怖いなら、カバーは必ずつけた方が良い。安心が手に入るなら安い手間だ。

転がらない工夫がされている

iro-utsushiいろうつし

万年筆のつけペンで共通する悩みとなっているのが、「転がる」という点。従来、万年筆はキャップがあるからボディにつけていたらクリップのおかげで転がらない。

しかしiro-utsushi<いろうつし>のような万年筆の場合、キャップがないので転がりを防いでくれるものがないのだ。

PILOTはその問題点を、ボディの一部を平らにすることで解決した。hocoroと同じく、これが最適解なのだろう。

なので適当に置いても、ちょっと転がってちゃんと止まってくれる。あまりにも角度が急だと止まらないが、ちゃんと平らな面なら止まる。

逆にあまりにも転がるようなら、それはむしろ机に問題があるので、早急に直すことをオススメする。

ボディは結構長い

iro-utsushiいろうつし

iro-utsushi<いろうつし>のボディは結構長い。その長さ、144mmにもなる。同じつけペンのhocoroと比べると以下。

iro-utsushi<いろうつし> 144mm
hocoro 119mm(ペン先収納時)
135mm(筆記時)

これだとわかりにくいだろうから、実物を比べると以下のようになる。

iro-utsushiいろうつし
iro-utsushiいろうつし

結構長いと感じる人もいるんじゃなかろうか。144mmというと、ペン先をだしたボールペンより長い。さすがに鉛筆よりかは短いが、長いことに変わりはない。

そのため普段筆箱にしまっている人は入らない可能性がある。

僕の場合、万年筆置き場に落ちているのだけど、iro-utsushi<いろうつし>だけはみ出ていて実に格好悪い。

もし店頭で確認できるのなら、箱がそのまま本体の長さだと思った方が良い。それくらいで考えておくと、実際に使う時にそれほど不便を感じない可能性がある。

PILOT『iro-utsushi<いろうつし>』はインキ好きのための万年筆

iro-utsushiいろうつし

PILOTの「iro-utsushi<いろうつし>」は万年筆のペン先を持つつけペンだ。PILOTの魅力的なインキはもちろん、他社のインキも問題なく使える。従来なら他社のインキを使って壊れて保証対象外になっていたかもしれない行為を、故障を全く気にせず使っていけるのは魅力的だ。

つけペンらしく何度もインキにつけて字を書くのはもちろん、ちょっと色を変えたい時はササッと水洗いするだけで使える。インキの種類が多ければ多いほど魅力的なつけペンだと言える。

  • ボトルインキをもっと気軽に使いたい
  • いろんなインキを楽しみたい
  • 気軽に使える万年筆が欲しい

以上のような人にはオススメだ。特にインキをカートリッジではなくボトルで収集し、かつ持て余している方は文句なしに買った方が良いとすら思う。ソースは僕。

以下にiro-utsushi<いろうつし>のリンクを貼っているので、気になる人はクリックしてみてくれ。

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